東日本大震災から10年


東日本大震災から 10 年が経った。

当時の私は卒業が決まった大学 4 年生で、就職先の会社の近く(西新宿と中野坂上の間あたり)に引っ越して一人暮らしを始めたばかりだった。

地震が起きたときは確か PC でゲームをしていたと思う。今振り返るとあり得ない行動だとは思うが、東京に 4 ~ 5 年住んでて地震はちらほらあったので「また地震かー今回のは大きいな」くらいの認識で、特にニュースを見ることもなく地震が収まった後に昼寝してしまった。

地震発生から 3 ~ 4 時間後、外が暗くなってから九州に住んでいた親からの電話で目を覚ました。後から着信履歴を見ると何十回も電話してきていたようで、心配をかけてしまったかもしれない。

親からは「早く電話に出なさい」「仙台が大変なことになってるからニュースを見なさい」「何かあったら必ず連絡しなさい」といわれた。

実際には仙台以外も被害を受けていたのだが、近所に住んでいた同級生の一家が引っ越して仙台に住んでいたので仙台のことが気になっていたのかもしれない。

私の家にはテレビは無かったのだが、ネットニュースを見ると東北地方の各地で甚大な被害が出ていることがすぐに分かった。津波の映像も見たのだが、あまりに衝撃的で現実感がなかった。

当時はニコニコ生放送で NHK が 24 時間ミラーされていて、眠気で倒れるまでディスプレイにかじりついて見ていた気がする。原発事故のときも NHK の映像をずっと見ていた。

3 ~ 4 日くらい経つとだんだん現実が飲み込めてきて、就職先のことが心配になってきた。私の就職先は東京ビッグサイトのような大規模コンベンションセンターで商業展示会を主催する事業を営んでいた。ビッグサイトの建物自体には大きな損傷はなかったものの、震災後の混乱や様々な事情でビッグサイトのイベントは次々と中止になっていった。

気になってしまい毎日朝起きたらビッグサイトのホームページを見て中止になったイベントを調べていたが、結局その会社のイベントは開催された。後から聞いたところでは社内外でいろいろな意見があったらしいが、阪神大震災の直後にも数々の展示会が中止になる中開催を強行して出展社から感謝されたという過去があったらしく、そのときも「こんなときこそ商売の機会を中止してはいけない」という思いがあったらしい。

個人的には会社の方針に疑問を抱くことが多かった(結局すぐ辞めた)ものの、今では確かにそういう考え方もあるなと思うようになった。昨今の新型コロナヴィルス感染症拡大の中で開催強行してたのはどうかと思うけど。

自分は幸いにして震災によって自分の家族や大事なものが失われてしまうという体験はなかったけど、震災やその後の混乱で亡くなった人や苦労している人の話を聞くといつか自分にもそういうときが来るのではと考える。

災害でなくても生きていると何かしら大きな損害を受けるリスクはあるし、そういう人に手を差し伸べられるような人間でありたいなと思う。逆に自分が困ったとき手を差し伸べてくれる人がいることを期待しているのかもしれない。

ということで、メルカリでゲーム売った金があったので被災地の自治体に 1,000 円ずつ寄付した。少ないけど継続的に寄付をやっていきたい気持ちがある。 https://about.mercari.com/press/news/articles/20210310_mercari_kifu/