技術書典15で米国テック企業の決算を読む本を出した話


技術書典 15オンラインマーケットに米国テック企業の決算を読む本を出したので、忘れないうちに振り返りを書き残しておく。

https://techbookfest.org/product/awXKV0rNyrGYRVaUNz4Tzs?productVariantID=wMrEdpXuP8KkN7BzCbjULY

本記事執筆時点で 219 冊が売れており、思ったより多くの方に手に取っていただけたようで大変嬉しかった。開始前は 30 冊くらい売れたらいいなと考えていた。11/26(日)までオンラインマーケットで販売中なので、ご興味ある方はぜひ購入いただけると嬉しい。

執筆動機

本書を執筆した動機としては、技術書典の参加者が日常的に慣れ親しんでいる製品やサービスを提供している会社を題材に決算を読む本を書きたかったことにある。

私は現在プログラマーとして働いているが、元々は経理の仕事で開示に関わっていたこともあり他社の決算をよく読んでいた。特に興味がある会社はブログに決算をまとめていたのだが、知り合いから「読んでますよ」と言われることがあり意外と需要があるのかと感じていた。

報道やソーシャルメディアでは「⚪︎⚪︎ は大赤字でヤバい」といったような投稿が注目を集めることがあるが、企業が開示している決算を読むと(赤字ではあっても)売上が成長しておりキャッシュフローも黒字なので投資家視点では特に問題がない場合もある。

一方で、企業が開示している資料は量が膨大であり初見ではどこから読んでいいか分からない。

そこで、よく知られている会社であればお金の流れが想像しやすいだろうと考え、技術書典の参加者が日常的に使うツールは基本的に米国のテック企業によって作られている(例えば AWS や Google Cloud など)ことを鑑みて米国テック企業の決算を読む話を書こうと考えた。

執筆環境

全て Google Docs で書いた。

元々は Re:VIEW などのデジタル出版ツールを使おうと考えていたのだが、アウトラインを Google Docs に書いていたら「もうこれでよくないか??」と感じて 90 ページ近く書いてしまった。

Google Docs で書いて良かった点と良くなかった点は以下の通り。

良かった点…

  • 環境構築や設定不要ですぐ書き始められる
  • 見出しや目次、ページ番号、ヘッダーやフッター、脚注などを簡単に挿入でき、PDF を出力できるので執筆に必要な一通りの機能は揃っている

良くなかった点…

  • ページ数や画像などが増えるに従って同期が非常に遅くなる
  • それに伴い、画面が固まってドキュメントに書き込めなくなることがある
  • 保存されていると思ったら保存されていないという事象も起きる(別の端末で開くと途中までしか書かれていない)

同期の遅れは深刻な問題で、ドキュメントを PDF としてダウンロードすると同期されたところまでしか生成されないので Google ドキュメント上での見た目と実際に生成される PDF が異なってしまう。「印刷」から PDF に保存すればいいのだが、はじめは混乱した。

参加した感想

オンラインマーケットのみの参加であり物理本も作らないという簡単な形での参加だったが、長らく書きたいと思っていたテーマについてアウトプットでき反響もいただけたので本当に参加して良かった。

何年もの間書きたいと思って塩漬けにしていたテーマではあったものの一度書き始めると自然に手が動いて執筆が進み、書籍の審査に出すまでは 1 ~ 2 週間程度だった。技術書典という明確な締切があったことで集中して取り組むことができた。

何かアウトプットしたいテーマがある方には是非とも技術書典へのサークル参加をお勧めしたい。